ルネ・マグリット

ルネ・マグリット - ルネ・マグリット

視覚芸術という呼び名が一番しっくりくるアーティストに、ルネ・マグリットをあげたいと思います。ベルギー出身のシュールレアリスム画家として知られる彼ですが、シュールレアリスム運動に積極的に参加していたのは短い期間で、実はシュールレアリスムの理論的指導者であったアンドレ・ブルトンとはそりが合わなかったようです。

デペイズマンの達人

デペイズマンとは、あるモチーフをそのモチーフが本来あるべき場所(文脈)で使わず、別の場所(文脈)に置き換えることで見る者に違和感を感じさせるシュールレアリスム的技法です。この達人といえるのがルネ・マグリットで、彼の作品は見る者にある意味居心地の悪さすら感じさせる違和感を与えます。こういった視覚から引き出される感覚的なものへの挑戦として芸術を用いた彼は、冒頭に述べたようにまさに視覚芸術の申し子だといえるのです。